八重山の泡盛ガイド|石垣島の6酒造所・古酒と花酒の選び方

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海を望む石段に並ぶ泡盛の古酒甕

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石垣島のスーパーや土産店に並ぶ泡盛は、瓶の形も度数もばらばらで、初めてだと選ぶ手がかりがつかめません。ですが八重山の泡盛は「どの島の、どの蔵の酒か」で性格が分かれます。この記事では、沖縄県酒造組合と各蔵の公式情報をもとに、八重山の酒造所の顔ぶれ、古酒(クース)の表示ルール、与那国島だけの花酒、そして蔵を訪ねる方法までを整理しました。

泡盛とは|黒麹菌と「全麹仕込み」でできる島の酒

泡盛は、酒税法上は単式蒸留焼酎に分類されるお酒です。東京国税局の解説によると、黒麹菌で造った米麹のみを原料とする点が特徴とされています。沖縄県酒造組合は、原料の米をすべて米麹にして仕込む「全麹仕込み」が他の焼酎との違いだと説明しており、原料には主にタイ米(インディカ米)が使われます。

さらに、泡盛には地理的表示(GI)「琉球」があります。沖縄県酒造組合が示す生産基準では、黒麹菌による米麹だけを使うこと、沖縄県内で採水した水だけを使うこと、発酵・蒸留・貯蔵・容器詰めをすべて県内で行うことが求められます。ラベルの「琉球泡盛」は、この条件を満たした酒だという合図です。

八重山には10の酒造所|石垣6・与那国3・波照間1

沖縄県酒造組合の酒造所一覧では、八重山エリアに10の酒造所が登録されています。内訳は石垣市に6、与那国町に3、竹富町(波照間島)に1。ひとつの島だけでなく、国境の島まで含めて蔵が点在しているのが八重山の面白さです。

島・町 酒造所名(組合の登録名) 所在地
石垣島 株式会社池原酒造 石垣市字大川175
石垣島 仲間酒造株式会社 石垣市字宮良956
石垣島 請福酒造有限会社 石垣市字宮良959
石垣島 有限会社髙嶺酒造所 石垣市字川平930-2
石垣島 有限会社八重泉酒造 石垣市字石垣1834
石垣島 株式会社玉那覇酒造所 石垣市字石垣47
与那国島 合名会社崎元酒造所 与那国町字与那国2329
与那国島 入波平酒造株式会社 与那国町字与那国4147-1
与那国島 株式会社どなん酒造(どなん国泉泡盛) 与那国町字与那国2087
波照間島 波照間酒造所 竹富町字波照間156

なかでも髙嶺酒造所(石垣市字川平930-2)は、川平湾と同じ川平のエリアにあります。島の北西へ足を伸ばす日にまとめて回せます。

古酒(クース)の見分け方|「3年」の意味は2015年に変わった

棚で迷ったときの分かれ道が古酒(クース)かどうかです。沖縄県酒造組合の解説によると、2015年8月1日に施行された改正規約により、「古酒」と表示できるのは全量が3年以上貯蔵された泡盛に限られるようになりました。改正前は3年以上熟成した酒が50%を超えていれば表示できたので、基準が厳しくなったという変化です。

年数表示も同じで、「5年」「7年」と書けるのは全量がその年数以上貯蔵されている場合。混ぜたときは若いほうの年数を表示するため、20年の古酒に3年の古酒を少し足せば表示は「3年」です。一般酒に古酒を10%以上混ぜた場合は「混和」の表示と混和割合の表示ができます。ラベルの数字はその瓶のいちばん若い酒を指す、と覚えておくと読み違えません。

与那国島だけの「花酒」|60度の初留液

八重山ならではの一本が花酒(はなざけ)です。崎元酒造所の公式サイトによると、花酒は日本最西端の与那国島だけで製造されている蒸留酒(スピリッツ)。泡盛とまったく同じ原材料・製造法でありながら、アルコール度数が45度を超えると税法上はスピリッツになるため、ラベルの表記が変わります。

銘柄「どなん」を造るどなん国泉泡盛合名会社(沖縄県酒造組合の一覧では「株式会社どなん酒造」として登録)の公式サイトでは、花酒をもろみを蒸留して最初に出てくる「初留液」と説明しており、度数は60度。同社は25度・30度・43度の商品も販売しています。度数の幅がそのまま選択肢の幅です。

「泡盛」という名前の由来も、崎元酒造所が説明しています。かつては一定の高さからグラスに酒を注ぎ、できた泡の盛り具合で度数を計っていたそうで、度数の高い花酒は泡がいちばん多く、花が咲いたように見えたことから花酒と呼ばれるようになった——その計り方の名残が「泡盛」なのだといいます。与那国島は台湾を望む日本最西端の島で、島の弔いの習わしにも花酒が使われてきました。

波照間島の「泡波」|日本最南端の酒造所

沖縄県酒造組合によると、波照間酒造所は石垣島の南に浮かぶ波照間島にある日本最南端の酒造所で、創業は1952年。唯一の銘柄が「泡波」です。家族中心の手作業で造られ、製造量が極めて少ないため入手が難しくなることもあると紹介されています。波照間島で見つけたら、その場で味わうのがいちばん確実です。

蔵を訪ねる|石垣島で見学・体験ができる蔵

請福酒造(石垣市宮良)

1949年創業。公式サイトによると、蔵元売店と工場見学は入場料・駐車場ともに無料(駐車場は大型バス可)で、営業時間は10:00〜17:00、定休日は土日祝です。工場見学は1日1回14:00〜のみ、所要時間は約15分。予約は不要で開始時間までに来店する形ですが、10名以上の場合は事前連絡が必要とされています。公式のお知らせ欄では見学が臨時に中止される日も告知されるので、出発前にのぞいておくと空振りを防げます。

八重泉酒造(石垣市字石垣)

創業1955年。公式サイトのツアーページによると、1日最大4名限定・大人向けの予約制プランで、行程は酒造裏の見学ともろみの櫂(かい)入れ体験(約80分)→ オリジナルブレンド・カクテル体験(約30分)→ 石垣特産のおつまみ付き試飲会(約40分)という構成。普段は立ち入れない蔵の裏側を見られるのがこのプランだけ、と案内されています。屋内で完結するため、天気が崩れた日の予備プランとしても使えます。

現地の見学で分かること

川平の髙嶺酒造所を訪ねた記録動画では、蔵の方が度数違いの泡盛を並べて飲み比べさせながら「飲み比べないと自分の好みは分からない」と話す場面があります。ひとつの蔵のなかでも度数が変われば口当たりは変わるので、気になる度数を少量ずつ比べて一本を決める——現地でしかできない選び方です。(参考:工場見学の記録動画)

選び方の目安|度数と熟成の2軸で絞る

タイプ 目安 向いている人
25〜30度 泡盛の標準的な度数帯 初めての一本・水割りで飲みたい人
43度前後 香りが立ちやすい高めの度数 ロックや少量でじっくり味わいたい人
古酒(3年以上) 全量3年以上貯蔵したものだけが表示可 まろやかさを求める人・贈りもの
花酒 60度 与那国島だけの初留液。税法上はスピリッツ 八重山らしい一本を探している人

合わせる料理で選ぶのも手です。脂ののった石垣牛には度数高めをロックで、といった具合に、島の食卓に寄せると失敗しにくくなります。

持ち帰りで気をつけたいこと

国土交通省は、航空機の安全運航のため危険物の貨物輸送・機内への持込み・お預けを禁止しています(航空法第86条)。そのうえで同省は、「ご利用される航空会社にご確認ください」と案内しており、酒類がどの条件まで認められるかは航空会社ごとの取扱いで決まります。アルコール度数の高い花酒を買うときはとくに、予約している航空会社の案内を先に見ておくと安心です。蔵で試飲する日は、レンタカーの運転を別の人に代わってもらうか、公共交通・タクシーの利用を前提に組み立ててください。

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まとめ

八重山には10の酒造所があり、内訳は石垣島6・与那国島3・波照間島1。ラベルは「古酒」=全量3年以上貯蔵(2015年8月1日施行の改正規約)、混和したら若いほうの年数の2点で読み解けます。与那国島の花酒は60度の初留液で、45度を超えるため税法上はスピリッツ。波照間島の「泡波」は日本最南端の酒造所が造る一本です。石垣島なら請福酒造の無料見学(1日1回14:00〜・約15分)と八重泉酒造の予約制体験ツアー(1日最大4名)で、造り手の話を聞きながら選べます。

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。飲酒運転も法律で禁止されています。

参考・出典(公式サイト)

参考(現地の記録動画):髙嶺酒造所の工場見学

※ 営業時間・定休日・見学の実施内容は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください(最終確認:2026年9月)。

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