石西礁湖ってどんな海?|石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁の仕組みと見どころ

この記事の島石垣島のページ →西表島のページ →
飛行機の窓から見た石垣島周辺のサンゴ礁の海

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

石垣島から竹富島や小浜島へ向かう高速船の窓、あるいは着陸前の飛行機の窓から見える、あの濃淡のある青い海。そこには石西礁湖(せきせいしょうこ)という名前があります。石垣島と西表島の間に広がる、日本でいちばん大きなサンゴ礁の海域です。この記事では、環境省と沖縄県・石垣市の公式資料をもとに、石西礁湖がどこにあって、どんな仕組みで、いま何が起きていて、旅行者はどこから眺められるのかをまとめます。

石西礁湖はどこにある?|名前の由来と広さ

環境省の石西礁湖自然再生協議会の紹介によると、石西礁湖は「石垣島と西表島の間に広がる南北約15km、東西約20kmに及ぶ、わが国で最大のサンゴ礁の海域」です。名前は石垣島の「石」と西表島の「西」を取ったもの。「礁湖」は、サンゴ礁に囲まれた内側の海を指す言葉です。

この海域には竹富島・小浜島・黒島・新城島といった島々が浮かんでいます。沖縄県の西表石垣国立公園の説明にも「西表島と石垣島の間に広がる石西礁湖とその中にある島々」と書かれており、石垣港から竹富島や小浜島、黒島へ渡る船は、この礁湖の上を走っていることになります。ツアーで上陸する幻の島(浜島)も、小浜島と竹富島の間に現れる砂洲で、石西礁湖の一部です。

サンゴの種類の多さも際立っています。環境省の資料では、日本列島で確認されている造礁サンゴは420〜430種とされ、そのうち石西礁湖を含む八重山諸島海域では360種以上が確認されています。環境省の「石西礁湖自然再生全体構想」は、八重山の海をフィリピン海域やオーストラリアのグレートバリアリーフと「肩を並べる非常に豊かなサンゴ礁域」と表現しています。

項目 内容
位置 石垣島と西表島の間
広さ 南北約15km・東西約20km(わが国で最大のサンゴ礁の海域)
中にある島 竹富島・小浜島・黒島・新城島など
サンゴの種類 八重山諸島海域で360種以上(日本全体は420〜430種)
保護の枠組み 西表石垣国立公園。海域公園地区は計20か所(竹富島タキドゥングチ海域公園など)
水深 10〜20mと比較的深く、堡礁型に近いサンゴ礁
環境省「石西礁湖自然再生協議会」、環境省 石西礁湖自然再生全体構想、沖縄県「西表石垣国立公園」の記載をもとに作成
石垣島・八重山のツアーを探すTrip.comでシュノーケル・マングローブ・星空などの現地ツアーを比較
Trip.comでツアーを見る

サンゴ礁の仕組み|礁原・礁池・礁斜面

石垣市にある環境省の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターは、サンゴ礁の地形を3つに分けて説明しています。

  • 礁原(しょうげん):「サンゴが成長してもりあがり干潮時はひあがる場所」。船から見える白波の線がここです
  • 礁池(しょうち):「礁原に囲まれてできる浅くて静かな海」。沖縄で「イノー」と呼ばれる浅瀬で、エメラルドグリーンに見える部分です
  • 礁斜面(しょうしゃめん):「複雑な地形で急に深くなる。サンゴの種類はとても多い」。礁原の外側、濃い青に変わるところです

飛行機の窓から見える「白い線の内側が明るい緑、外側が濃い青」という色の境目は、この礁原と礁斜面の境目そのものです。環境省の資料によると、日本のサンゴ礁の多くは島の周りを縁取る裾礁で礁池は浅いのに対し、石西礁湖は水深10〜20mと比較的深く、堡礁型に近いサンゴ礁が発達しているのが特徴です。

サンゴは動物です。センターの解説では「イソギンチャクなどと同じ仲間の動物」で、体内に褐虫藻という植物プランクトンを住まわせ、その光合成で栄養を得ています。そしてサンゴ礁は「台風時などの高波の力を弱める役目を果たしている生きた防波堤」でもあります。サンゴの骨格や有孔虫の殻が砂になって砂浜をつくり、海岸を守っている。八重山の白い砂浜は、サンゴ礁が元気だからこそ続いている景色です。

幻の島(浜島)の白い砂洲とサンゴ礁の浅い海
小浜島と竹富島の間に現れる幻の島(浜島)。白い砂はサンゴの骨格や有孔虫の殻が砕けたものです

いま何が起きているか|白化とオニヒトデ

石西礁湖は、豊かさと同時に厳しい現実も抱えています。センターの解説によると、1980年代にオニヒトデが大発生してサンゴを食い尽くし、その後も2000年代後半から2010年代前半に大発生がありました。白化現象は1998年、2007年、2016年に確認されたとあり、その後の環境省の調査では2022年と2024年にも大規模な白化が記録されています。

環境省は石西礁湖内の31地点で定期的に白化の調査をしています。直近の数字を並べると、状況の深刻さが分かります。

調査時期 平均白化率 内訳(健全/薄色/白化/死亡)
2016年9〜10月 97.2% —
2022年9月 92.8% —
2022年12月 50.2% 49.8%/24.5%/1.4%/24.3%
2023年9月 2.6% 大規模な白化はなし
2024年9月 84.0% 16.0%/59.4%/13.7%/10.9%
2024年12月 65.5% 34.5%/38.1%/1.8%/25.5%
環境省の報道発表(2022年12月・2024年9月・2024年12月調査)より。2016年・2022年9月・2023年9月の値は2024年9月調査の発表内で比較として示された数値です。白化率は「健全」以外の群体の割合です

2024年の大規模白化は9月がピークで、白化率は84.0%。12月には65.5%まで回復した一方、死亡した群体の割合は10.9%から25.5%に増え、サンゴが海底を覆う割合(平均被度)も9月の17.4%から12月には13.7%に下がりました。環境省はその原因として「30℃を超える夏季の高水温が例年9月初旬までであったところ、2024年は9月下旬まで長く続いたこと」を挙げています。

白化の仕組みはこうです。海水温が高すぎるなどの環境の悪化で、サンゴの体内にいた褐虫藻がいなくなる。すると色を失って白く見える。センターの解説には「白化が、しばらく続くとサンゴも死んでしまいます」とあります。白くなった時点ではまだ生きていて、回復の余地がある。だから「白化率」と「死亡率」は別々に数えられているのです。

陸からの影響もあります。石垣市は、石西礁湖のサンゴ礁が「赤土流出などの陸域からの環境負荷、高水温等による白化、オニヒトデの大量発生などによる攪乱を受け大きく衰退している」と説明し、次の世代へ伝える取り組みを進めています。地元の住民・漁業・観光・研究者・行政が集まる石西礁湖自然再生協議会は、2006年(平成18年)2月に石垣市で第1回が開かれました。

竹富島の西桟橋から見た石西礁湖の浅い海
竹富島の西桟橋。桟橋の先に広がるのは石西礁湖の礁池で、夕方には小浜島・西表島方面に日が沈みます
石垣島の宿・航空券を探すTrip.comでホテル・航空券をまとめて比較・予約
Trip.comで見る

旅行者はどこから見られる?

①飛行機の窓から

石垣島に着陸する前、窓の外に白い礁原の線と明るい礁池の緑が広がります。礁原・礁池・礁斜面の色の違いを、地形として眺められる場所です。座席の向きや進入方向によって見え方は変わるので、見えたら幸運くらいの気持ちで。

②離島への高速船から

石垣港から竹富島・小浜島・黒島・西表島(大原港)へ向かう船は、石西礁湖の上を走ります。デッキや窓側から、船の下の海の色が濃い青から明るい緑に変わる瞬間を見てください。船の乗り方は石垣港離島ターミナルの使い方にまとめています。

③礁湖の中の島から

竹富島の西桟橋やコンドイビーチ、黒島の伊古桟橋は、石西礁湖の礁池を足元から眺められる場所です。潮が引くと礁原が顔を出し、満ちると一面の浅い海になります。時間帯で景色が変わる理由は八重山の潮見表ガイドに書きました。幻の島上陸ツアーやシュノーケリングツアーは、礁池の中に直接入る体験です。

④国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター(石垣市八島町)

環境省が2000年5月12日に開設した施設で、石垣島や石西礁湖のサンゴ標本の収集、モニタリング調査の拠点です。公式サイトには「資料室の利用・施設の見学を随時行うことができます」「サンゴの骨格標本などが観覧できる展示スペースもございます」とあります。所在地は石垣市八島町2-27。公式の案内では南ぬ島石垣空港から車で25分、石垣港離島ターミナルから車で10分、バス停「真栄里公園」から徒歩10分です。開館日や時間の詳細は、訪ねる前に公式サイトか電話(0980-82-4902)で確かめてください。海に入る前に立ち寄ると、水中で見るものの意味が変わります。

海に入るときに守りたいこと

竹富町観光協会の「島での心得」には、「海のなかや海岸で、むやみに生物に触れたり持ち帰ったりしないでください」と書かれています。サンゴは動物で、触れたり踏んだりすれば傷つきます。礁池の中で立つときは砂地を選び、サンゴの上には立たない。同じページは「サンゴ礁のリーフカレントに注意」として、礁原の切れ目から外海へ強く流れ出す流れによる水難事故に触れています。ライフジャケットを着けること、飲酒後に海に入らないことも、あわせて呼びかけられています。刺されると危ない生きものは八重山の海の危険生物ガイドで確認しておいてください。

なお、石垣島の東海岸・白保にあるアオサンゴの大群落は、WWFジャパンが「世界最大級」と紹介する場所ですが、石西礁湖(島の南西側)とは別の海域です。混同しないよう補足しておきます。

まとめ

石西礁湖は、石垣島と西表島の間に広がる南北約15km・東西約20kmの、日本最大のサンゴ礁海域です。竹富島や小浜島、黒島はその中に浮かぶ島で、幻の島の砂洲もその一部。八重山の海には360種以上のサンゴが確認されている一方、2024年9月には白化率84.0%という大規模な白化が起き、12月には死亡した群体が25.5%に達しました。飛行機や船の窓、竹富島の西桟橋、黒島の伊古桟橋から、礁原の白い線と礁池の緑を意識して眺めてみてください。そして海に入るときは、サンゴに触れず、立たず、持ち帰らず。

参考・出典(公式サイト)

※ 白化率などの数値は環境省の調査時点のものです。施設の開館状況やツアーの内容は変更される場合がありますので、おでかけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。(最終確認:2026年9月)

← 八重山たびトップへ ビーチ・絶景の記事一覧 →
姉妹サイト:島めぐり|伊豆諸島(東京の島々)の旅メディア