西表島の立入ルール|ピナイサーラの滝など5か所は事前申請とガイド同行が必要

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2021年7月に世界自然遺産へ登録された西表島(いりおもてじま)。ジャングルの奥にある滝や山を目指すコースのうち5か所は、事前に「立入承認」を受けないと入れません。竹富町は2024年9月から専用サイトでの申請受付を始めており、当日ふらりと出かけて入れる場所ばかりではなくなりました。この記事では、対象になる場所と条件、申請の流れ、島で車を運転するときの注意、そして守りたいマナーまで、竹富町・環境省・西表野生生物保護センターの公式情報にもとづいて整理します。

承認が必要な5か所と、1日あたりの上限人数

竹富町が公表している「西表島の立入制限区域(特定自然観光資源)への立入承認申請受付開始について」(2024年8月29日更新)によると、承認の対象になっているのは次の5つのフィールドです。竹富町西表島エコツーリズム推進協議会の案内では、それぞれに1日あたりの立入上限人数が設けられています。

フィールド かっこ内に示された行き先 1日あたりの上限
ヒナイ川 ピナイサーラの滝 200人/日
西田川 サンガラの滝 100人/日
古見岳 — 30人/日
浦内川源流域 横断道、マヤグスクの滝 50人/日
テドウ山 — 30人/日
フィールド名は竹富町の公表資料、上限人数は竹富町西表島エコツーリズム推進協議会の案内による

上限がもっとも多いヒナイ川(ピナイサーラの滝)でも1日200人までです。上限に達すれば承認は受けられません。「現地に着いてから決める」ではなく、行くと決めた時点で手続きを始めるのが西表島の歩き方になりました。

条件は「認定ガイドの同行」か「町の講習」

立入の条件について、竹富町の告知には次のように書かれています。

「竹富町長が認めたガイドの同行のもとに立ち入るものであること、又は事前に竹富町が主催する講習を受講した上で立ち入るものであること(古見岳、浦内川源流域及びテドウ山に限ります)」

つまりヒナイ川と西田川は、町が認めたガイドと一緒に入るのが前提です。講習を受けて自分たちだけで入る道が用意されているのは、古見岳・浦内川源流域・テドウ山の3か所に限られます。

ツアーに申し込む場合、手続きをツアー会社がまとめて行うことがあります。申し込むときに立入承認の手続きが料金に含まれるのか、自分で申請するのかをはっきり確認しておくと、当日あわてずに済みます。

西表島の川に段になって流れ落ちる滝と深い緑の森
西表島の滝。奥へ入るコースほど、事前の手続きと装備が要る

申請はいつから・いくらかかる

竹富町の告知には「令和6年9月1日より、竹富町西表島エコツーリズム推進協議会のWebサイト内にて、立入承認申請の受付を開始しました。」とあり、個々の申請ができる時期については「立入制限フィールド(特定自然観光資源)への立入承認申請は、立入り希望日の6か月前から受け付けます。」と示されています。手数料については「規定の立入承認事務手数料を支払っていること」と書かれており、金額は協議会の案内で示されています。

入り方 手数料 対象
認定ガイドが同伴する 500円/人 5フィールドすべて
町の講習を受けて入る 1,000円/人 古見岳・浦内川源流域・テドウ山
手数料は竹富町西表島エコツーリズム推進協議会の案内による

講習を受けて入る場合、協議会の案内では次の10段階が示されています。

  1. 仮申請フォームに必要事項を記入して仮申請を行う
  2. 仮申請番号のメールを受信
  3. メールまたは電話で受講日時を調整
  4. 本申請のためのログイン方法に関するメールを受信
  5. ログインして本申請を行う
  6. カード決済または銀行振込で手数料を決済
  7. 本申請受付通知メールを受信
  8. 立入前講習を受講
  9. 立入承認証を受領
  10. QRコードを読み取ってフィールドに立ち入る

受講日時の調整という人と人のやりとりが挟まるため、出発直前では間に合わないことがあります。旅程が固まったら早めに動き出してください。

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「利用調整地区」とは別の制度です

西表島の立入制限を、自然公園法の利用調整地区と同じものとして説明している情報を見かけることがありますが、これは別の制度です。環境省のページによると、利用調整地区として現在運用されているのは「吉野熊野国立公園の西大台地区(2007年9月~)と、知床国立公園の知床五湖地区(2011年5月~)」の2か所で、西表島は含まれていません。

西表島の根拠になっているのはエコツーリズム推進法(平成19年法律第105号)と、竹富町エコツーリズム推進法の施行等に関する条例(令和5年竹富町条例第23号)です。制度が違えば申請先も手続きも変わります。手続きは必ず竹富町と協議会の公式案内で確認してください。

自分の行くコースが対象かどうかの調べ方

竹富町が公表しているのはフィールドの名前と、かっこ内に示された行き先です。範囲の細かい線引きまでは公表資料からは読み取れないため、「このツアーは承認の対象か」をコース単位で確かめるのが確実です。ツアー会社に直接たずねるか、協議会の公式案内をあたってください。

なお西表島には、船に乗って川をさかのぼる定番のコースもあります。目的地と歩く距離によって必要な準備は大きく変わるので、まずは行き先を決めてから手続きを調べる順番がスムーズです。

西表島の川岸に密生するマングローブ林と青空
西表島の川。船で回るコースと、奥へ歩くコースでは準備が変わる

車を運転するなら、ヤマネコの事故を知っておく

西表島でレンタカーを使うなら、必ず頭に入れておきたいのがイリオモテヤマネコの交通事故です。西表野生生物保護センターは「イリオモテヤマネコの交通事故件数は、記録が残っている1978年から2025年8月2日までの間で102件発生しています。」と公表し、続けて「そのうち94件でヤマネコの死亡を確認しています。」としています。

同センターは「西表島ではゆっくりゆっくりの運転をよろしくおねがいします」と呼びかけており、島の利用マナーとして時速40km以下での運転を挙げています。夜間や明け方は特に注意してください。

島でナイトツアーを行う現地ガイドの解説によると、路上に出てきた小さな生きものを狙って、ヤマネコも道路に姿を現し、それが事故につながることがあるといいます。ツアーでは路上の生きものを見つけて自然に返しながら進む、という場面も紹介されていました(アスミライ・プロジェクト「沖縄・西表島 自然が育む美しき秘境の魅力 前編」)。夜の道路はヤマネコだけを探すのではなく、路上の小さな生きものごと避けるつもりで走るのが確実です。

もしケガをしている、あるいは死んでいるヤマネコを見つけたら、ヤマネコ緊急ダイヤル 0980-85-5581(24時間受付)へ連絡します。番号を出発前にスマートフォンへ入れておくと確実です。

島で守りたい基本のマナー

西表野生生物保護センターが示している利用マナーのうち、旅行者に関わるものを抜き出すと次のとおりです。

  • ゴミは持ち帰る:「ゴミ(食べ残し、ビニール袋、ペットボトル、空き缶、たばこなど)は必ず最後まで持ち帰りましょう」
  • 動植物を採らない:「法律で規制されていなくても島の大切な資源を勝手に持ち去ったり、採ったりしないでください」
  • 餌を与えない:餌やりで野生動物の行動が変わり、生態系のバランスが崩れる可能性があると説明されています
  • 外来生物やペットを持ち込まない:野生化すると在来の希少な動植物の捕食者になるためです
  • 歩道から外れない・大きな音や声を出さない:決められた道を歩き、静かに過ごすことが求められています
  • たき火は指定場所以外では禁止:指定された場所以外でたき火をしないよう求められています
  • 用を足すのはトイレで:トイレ以外での排泄は禁止とされています

環境省の資料によれば、西表島は新型コロナウイルス感染症の影響が出る以前で年間約30万人が訪れていました。一人ひとりの行動が積み重なる場所だからこそ、こうした基本が制度として形になっています。

まとめ

西表島は「行けば入れる島」ではなくなりました。ヒナイ川(ピナイサーラの滝)・西田川(サンガラの滝)・古見岳・浦内川源流域(横断道、マヤグスクの滝)・テドウ山の5か所は立入承認が必要で、1日あたりの人数にも上限があります。条件は認定ガイドの同行、または町の講習の受講。申請は希望日の6か月前から受け付けられ、手数料はガイド同伴500円・講習受講1,000円です。行き先を決めたらすぐ手続きに取りかかり、島では時速40km以下のゆっくりした運転を。手続きも運転も、この島の自然を次に来る人へ手渡すための作法です。

参考・出典(公式サイト)

※ 情報は変更される場合があります。立入承認の対象・上限人数・手数料・申請方法は見直されることがあるため、おでかけ前に竹富町および竹富町西表島エコツーリズム推進協議会の公式サイトで最新をご確認ください。(最終確認:2026年9月)

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